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コラム「リン・ベヤックの見解はカナダの至るところにある」 [先住民]

  (ハフィントンポスト・カナダ編集者 エマ・ペイリン)

 リン・ベヤック上院議員は、たとえ彼女を取り巻く論争が毎日雪だるま式に膨れ上がっていても、引き下がることを拒絶している。
 先住民は怠惰だとほのめかした支持者からの手紙を、彼女はウェブサイトに掲示したので、保守党幹部会を最近追放された。
 謝罪するよりむしろ、ベヤックは保守党党首アンドリュー・シーアに食ってかかり、「言論の自由」と称し支持者のコメントを擁護した。彼女は、この国中にいる多くの人々を代弁すると主張し続けている。そして悲しいことに、彼女は正しい。彼女の無知は典型的なものだ。
 私は、オンタリオ州ケンブリッジで育った。私は、何世代も前にカナダに移住したイギリスの移民の子孫である。家族の祝い事で、パーティーで、そしてリビングルームで、私はベヤックのような見解が何のてらいもなく表明されるのを聞いてきた。
 去年ベヤックが議会で言ったように、私は白人のカナダ人が、寄宿学校の虐待話は大袈裟だとか、あるいはあの時代はどこの学校でもあったことだと言うのを聞く。寄宿学校は、先住民の文化や言語や、子供たちと両親との関係を破壊するという特別な意図で設立されたという事実にもかかわらずである。それは、学校で死んだ6千人の子供たちと、性的虐待を受けたと言う何万人もの子供たちへの同情なしに言われている。
 先住民は我々の仲間たる市民であり、そしていくつかのケースで、条約が調印され支払いが約束されたという事実にもかかわらず、税金が先住民に支払われることへの不快感を、白人のカナダ人が表明するのを聞く。そう、先住民が税金を一切払わないと考えるのは、誤りである。
 インディアン法と呼ばれる極めて人種差別的・性差別的・家父長主義的な方針を、部族評議会に押し付けたのは我々の政府だったという事実にもかかわらず、白人のカナダ人が部族評議会を非効率的で腐敗していると非難するのを私は聞く。我々の政府は文字通り、先住民を依存させるために制度を創設した。
 それは毎日ではなく、あらゆる人々でもない。だがそれは重大である。
 世論調査は、通説がまさにベヤックのようなものであることを実証する。先住民についての印象をきかれると、カナダ人の13%が即座に、税制優遇措置や、政府の「施し」への依存や、社会に貢献しない怠惰な人々といった、否定的あるいはステロタイプの回答をしたことが、エンバイアニックス研究所による2016年の調査で明らかになった。
 26%が、先住民に対する考えが近年良くなったと回答したが、10%は、政府の「特別扱い」や薬物濫用や犯罪性向といった醜悪なステロタイプを挙げ、考えが悪化したと回答した。
 回答者の26%は政府の政策を、社会的・経済的平等を達成することへの主要な障害と認識した。同数の回答者は、先住民そのものを非難した。
 これらの人々は、単に調査の回答者であるだけではなく、我々の親類、同僚、隣人、パートナー、友人である。これらの意見は、プライベートな領域だけでなく、ソーシャルメディアを持つ誰もが見られるように表明される。
 ハフィントンポスト・カナダのニュース編集者として、私は先住民の子供たちについての吐き気を催すようなコメントの数々を見てきた。CBC(訳者注※カナダ放送協会)サイトは、あまりに多くのコメントが「明らかな憎悪に満ち過激な」ものや「無知を装った憎悪」であるという理由で、先住民に関する全ての投稿を拒絶する措置を強いられた。先住民が劣っていると述べて恥とも思わないカナダ人は、おおぜいいる。
 一通の特別ひどい手紙のせいでベヤックは保守党幹部会から排除されたが、それ以外のおよそ100通の手紙は、シーアが何の対応もしなかったことから、悩みの種であったことがわかる。
 ジョアンという名の支持者は、先住民の懸念を「歴史的泣き言」として一蹴した。グレースは、寄宿学校の教育は子供たちの「民族的な部落根性」の克服を助長できたと書いた。アードレイは、寄宿学校における性的虐待の告発は、単に規則に従いたくなかった人々による捏造だと示唆した。
 ベヤックはこれらの手紙を、自分の人気の証拠として誇らしげに掲示した。シーアはただ一通の手紙に言及することで、それ以外の人々に暗黙の同意をした。問題は明らかに、一人の強情で無知な上院議員を越えている。
 他の政治家たちも積極的に、先住民に関する歴史的に無知な見解を表明した。保守党党首選でシーアと争ったケリー・リーチとスティーブン・ブレイニーの2人の候補は、勝つために悲惨な立場を誇示した。リーチは「あらゆるカナダ人は同等に扱われるべきだ」として、先住民の意見を聴取することもなしにインディアン法を廃止すると語った。ブレイニーは全てのインディアン居留地を、彼ら自身の利益のために解体すると語った。
 政治家は先住民をお気楽な存在として描き、意欲的なカナダ人にそのような見解をどうやって受け容れさせるかについて、資格のない者が提示するという事実。
 ベヤックは部外者ではない。彼らを何百万人ものカナダ人が養なってきたという神話を、彼女はオウム返ししている。もしもシーアが、自党の人種差別がベヤックのウェブサイトのみに限られると考えているなら、彼は間違っている。もしもカナダ人たちが、彼女の意見は例外だと考えているのなら、彼らは間違っている。
 アンチ先住民の人種差別は、カナダ社会の至るところに潜んでいる。それを認めることが、変革への第一歩である。

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(※漫画はハフィントンポスト掲載のものではない)
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