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コラム「リン・ベヤックの見解はカナダの至るところにある」 [先住民]

  (ハフィントンポスト・カナダ編集者 エマ・ペイリン)

 リン・ベヤック上院議員は、たとえ彼女を取り巻く論争が毎日雪だるま式に膨れ上がっていても、引き下がることを拒絶している。
 先住民は怠惰だとほのめかした支持者からの手紙を、彼女はウェブサイトに掲示したので、保守党幹部会を最近追放された。
 謝罪するよりむしろ、ベヤックは保守党党首アンドリュー・シーアに食ってかかり、「言論の自由」と称し支持者のコメントを擁護した。彼女は、この国中にいる多くの人々を代弁すると主張し続けている。そして悲しいことに、彼女は正しい。彼女の無知は典型的なものだ。
 私は、オンタリオ州ケンブリッジで育った。私は、何世代も前にカナダに移住したイギリスの移民の子孫である。家族の祝い事で、パーティーで、そしてリビングルームで、私はベヤックのような見解が何のてらいもなく表明されるのを聞いてきた。
 去年ベヤックが議会で言ったように、私は白人のカナダ人が、寄宿学校の虐待話は大袈裟だとか、あるいはあの時代はどこの学校でもあったことだと言うのを聞く。寄宿学校は、先住民の文化や言語や、子供たちと両親との関係を破壊するという特別な意図で設立されたという事実にもかかわらずである。それは、学校で死んだ6千人の子供たちと、性的虐待を受けたと言う何万人もの子供たちへの同情なしに言われている。
 先住民は我々の仲間たる市民であり、そしていくつかのケースで、条約が調印され支払いが約束されたという事実にもかかわらず、税金が先住民に支払われることへの不快感を、白人のカナダ人が表明するのを聞く。そう、先住民が税金を一切払わないと考えるのは、誤りである。
 インディアン法と呼ばれる極めて人種差別的・性差別的・家父長主義的な方針を、部族評議会に押し付けたのは我々の政府だったという事実にもかかわらず、白人のカナダ人が部族評議会を非効率的で腐敗していると非難するのを私は聞く。我々の政府は文字通り、先住民を依存させるために制度を創設した。
 それは毎日ではなく、あらゆる人々でもない。だがそれは重大である。
 世論調査は、通説がまさにベヤックのようなものであることを実証する。先住民についての印象をきかれると、カナダ人の13%が即座に、税制優遇措置や、政府の「施し」への依存や、社会に貢献しない怠惰な人々といった、否定的あるいはステロタイプの回答をしたことが、エンバイアニックス研究所による2016年の調査で明らかになった。
 26%が、先住民に対する考えが近年良くなったと回答したが、10%は、政府の「特別扱い」や薬物濫用や犯罪性向といった醜悪なステロタイプを挙げ、考えが悪化したと回答した。
 回答者の26%は政府の政策を、社会的・経済的平等を達成することへの主要な障害と認識した。同数の回答者は、先住民そのものを非難した。
 これらの人々は、単に調査の回答者であるだけではなく、我々の親類、同僚、隣人、パートナー、友人である。これらの意見は、プライベートな領域だけでなく、ソーシャルメディアを持つ誰もが見られるように表明される。
 ハフィントンポスト・カナダのニュース編集者として、私は先住民の子供たちについての吐き気を催すようなコメントの数々を見てきた。CBC(訳者注※カナダ放送協会)サイトは、あまりに多くのコメントが「明らかな憎悪に満ち過激な」ものや「無知を装った憎悪」であるという理由で、先住民に関する全ての投稿を拒絶する措置を強いられた。先住民が劣っていると述べて恥とも思わないカナダ人は、おおぜいいる。
 一通の特別ひどい手紙のせいでベヤックは保守党幹部会から排除されたが、それ以外のおよそ100通の手紙は、シーアが何の対応もしなかったことから、悩みの種であったことがわかる。
 ジョアンという名の支持者は、先住民の懸念を「歴史的泣き言」として一蹴した。グレースは、寄宿学校の教育は子供たちの「民族的な部落根性」の克服を助長できたと書いた。アードレイは、寄宿学校における性的虐待の告発は、単に規則に従いたくなかった人々による捏造だと示唆した。
 ベヤックはこれらの手紙を、自分の人気の証拠として誇らしげに掲示した。シーアはただ一通の手紙に言及することで、それ以外の人々に暗黙の同意をした。問題は明らかに、一人の強情で無知な上院議員を越えている。
 他の政治家たちも積極的に、先住民に関する歴史的に無知な見解を表明した。保守党党首選でシーアと争ったケリー・リーチとスティーブン・ブレイニーの2人の候補は、勝つために悲惨な立場を誇示した。リーチは「あらゆるカナダ人は同等に扱われるべきだ」として、先住民の意見を聴取することもなしにインディアン法を廃止すると語った。ブレイニーは全てのインディアン居留地を、彼ら自身の利益のために解体すると語った。
 政治家は先住民をお気楽な存在として描き、意欲的なカナダ人にそのような見解をどうやって受け容れさせるかについて、資格のない者が提示するという事実。
 ベヤックは部外者ではない。彼らを何百万人ものカナダ人が養なってきたという神話を、彼女はオウム返ししている。もしもシーアが、自党の人種差別がベヤックのウェブサイトのみに限られると考えているなら、彼は間違っている。もしもカナダ人たちが、彼女の意見は例外だと考えているのなら、彼らは間違っている。
 アンチ先住民の人種差別は、カナダ社会の至るところに潜んでいる。それを認めることが、変革への第一歩である。

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(※漫画はハフィントンポスト掲載のものではない)
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ベヤック議員、シーア党首を批判「言論の自由を守る」 [先住民]

 1月4日に保守党幹部会を除名されたリン・ベヤック上院議員(無所属)は、8日に声明を発表し、アンドリュー・シーア党首を批判し、言論の自由を守ると述べた。
 シーア党首は4日、問題の投稿を連邦議会公式ウェブサイトから削除するよう要請し、拒否されたと発表したが、ベヤック議員は自分もスタッフも、シーア党首やそのスタッフからそのような要請を受けてなく、したがって拒否した事実はなく、幹部会除名もメディアの報道で知ったと語った。
 だがシーア党首の広報ジェイク・エンライト氏は、電話で話したと証言した。いっぽう匿名の保守党議員は、シーア党首も彼のスタッフも誰もベヤック議員と話していないことを確認したと明かした。彼は、ベヤック議員と話したのはスミス上院幹事長のスタッフではないかと語った。

 ベヤック議員は、巷で言われている陰謀論を挙げ、マスコミを批判した。
「メディアがトルドー首相の倫理違反や、納税者の負担で補償されているカダル一家とジョシュア・ボイルとの疑惑の関係に集中すべきときに、何か月もの間問題視されなかった古い手紙が、野党党首叩きに使われるのは、興味深いことではないか。」
(筆者注※トルドー首相が2016年、イマーム・ハン氏が所有する島で休暇をとった行為は利害対立法に抵触すると、2018年12月に勧告された。タリバンに誘拐され5年ぶりに救出されたジョシュア・ボイル氏は、以前オマル・カダル氏の姉ゼイナブ・カダルさんと結婚していた。カダル一家はビン・ラディンやアルカイダのプロパガンダを行ったことで知られ、オマル・カダル氏はアフガン戦争で米兵を殺したため16歳でグアンタナモ刑務所に服役した。ボイル氏はトルドー首相と面会した11日後、性的暴行・監禁・脅迫など15の容疑で起訴された)
 ベヤック議員はさらに、シーア党首はマスコミが撒いた餌に引っかかったと非難した。
「良いリーダーはそのような策略に決して引っかからないが、未熟なリーダーが僅差で勝利し、他の視点を十分に考慮しないと、知恵と常識をなくすことがある。」
「我々は、ポリティカル・コレクトネスで汚れた現在のものより、もっと良いリーダーを持つに値する。」
 そして彼女は、カナダ人がもううんざりだと考えていることや、お金は先住民の問題を解決しないという見解を共有していることを今後も掲示し続けると述べた。
「政府は何十年もの間、何億ドルもの納税者のお金を使ってきた。そして我々がしてきたことは、機能していない。」
「無所属議員として、私は言論の自由のための声であり続ける。」
「私は、多くの賢明なカナダ人に代わって語ることは義務であり役目であると考えている。」

 ベヤック議員は保守党幹部会を除名されたが、問題の投稿は連邦議会公式ウェブサイトに残ったままである。キャロリン・ベネット政府=先住民関係・北方問題大臣とジェーン・フィルポット先住民サービス大臣は、シーア党首に共同書簡を送り、彼の措置には満足しているが、投稿を削除させるには手助けが必要だと訴えた。
「これらの手紙の多くは、我々の寛容で包括的な社会に居場所を持たない明確な人種差別的ステロタイプや、多くの誤報を含んでいる。」
「政府の資源は、憎悪と対立を促進するのに用いられることは決してあってはならない。カナダ上院の公式ウェブサイト上に掲載されたことで、これらの攻撃的なコメントが連邦議会に推薦されたと解釈されることを、我々は憂慮する。」
 いっぽう新民主党のチャーリー・アンガス議員は、ベヤック議員が上院議員としてカナダ人に奉仕するには不適切であることへの対処として、「上院の手段」を行使するのでトルドー首相に協力を要請した。
 ベヤック議員のサイトを削除したり、連邦議会の資源の使用に関して新しい基準を設定することは難しくはないが、上院議員の罷免となると容易ではない。上院は2017年春、十代の少女と不適切な関係を持ったドン・メレディス上院議員を失職させるため動いたが、上院議員の失職には規定があり、結局自ら辞任した。
 上院議員が失職する条件とは、会期を2回連続で欠席した者、破産した者、そして「反逆罪あるいは悪名高い犯罪で有罪判決を受けた者」である。ベヤック議員がしたことは他人の意見を紹介し広めたことであり、有罪に該当するかは判断が分かれる。仮に有罪だとしても、ヘイトプロパガンダは罰金刑か社会奉仕が通例のため、「悪名高い犯罪」に該当するとは考えにくい。
 上院議員は改選がなく、任期は75歳の定年までなので、彼女は2024年2月18日まで上院議員を務めることができる。
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ベヤック上院議員、保守党を除名 [先住民]

 保守党は1月4日、リン・ベヤック上院議員を幹部会から除名したと発表した。彼女は連邦議会公式ウェブサイトに、先住民のための寄宿学校に関する彼女の見解を支持するおよそ100通の手紙を掲載し、そのうちの何通かについて削除するよう党から要請されたにもかかわらず、拒否したのが理由だという。これにより上院勢力は、無所属の会39、保守党33、上院自由党15、無所属7、欠員11(定数105)となった。
 アンドリュー・シーア党首は、問題になった投稿は以下のようなものだったと明かした。
「私は人類学者ではないが、あらゆる日和見主義的文化、狩猟・採集民は努力なしに手に入れようとする。政府から与えられるまで座して待つ文化とは対照的に、努力を評価する産業化・組織化された農業文化との間には、衝突が常にある。」

 寄宿学校の生存者であるガーネット・アンジェコネブ氏は2017年9月、それらの投稿について保守党とマスコミに通報した。
「私はベヤック議員の議会公式ウェブサイトを、入念に見た。選りすぐられた支持者からの手紙が、確かに多数ある。」
「公平性とバランスを保つため、彼女は異なる見解の手紙も掲載すべきだった。だが彼女は明らかに、そうしていない。これは、彼女の属する党の見解を反映していない彼女個人の見解を広めるため、議員が政府から支給されたウェブサイトを利用していると考えざるをえない。」
 彼は、保守党から何らの反応も受け取らなかったと語った。

 シーア党首は、これら100通の投稿について1月2日に知ったと説明したうえで、ベヤック議員の行動を人種差別と明言した。
「この(※原文は“this”単数形)コメントを拡散することは、保守党議員として不快で容認できない。先住民が他のカナダ人と比較して怠惰であると提唱するのは、単に人種差別である。」
「彼女の行動の結果、上院幹事長ラリー・スミスと私は、幹部会からリン・ベヤック上院議員を除名した。人種差別は、カナダ保守党もしくはその幹部会で、容認されることはない。」
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ベヤック上院議員の寄宿学校擁護発言が波紋 [先住民]

 保守党のリン・ベヤック上院議員による、先住民の寄宿学校に関する発言の数々が波紋を呼んでいる。
 かつて先住民の子供たち15万人以上が、親元から引き離され、カナダ政府の助成を受けたミッションスクールで同化教育を強制された。彼らは母語の使用を禁止され、性的虐待を受け、何千人もの児童が学校で死亡した事実が明らかとなった。
 だがベヤック議員は、寄宿学校について「少数の先住民は、学校の居心地が悪いと感じていた」「先住民の子供たちの3人に1人が、寄宿学校に入れられた。親から引き離されたのはごく少数で、むしろ多くの子供たちは、狩猟や交易に従事するため長い間家を留守にしていた親によって、入学手続きされた」などと語り、ロナ・アンブローズ暫定党首(当時)によって3月、上院の先住民問題委員会から外されている。
 ところが9月上旬には再び、ホームページ上で「(先住民の)ステータスカードを返上し、かわりにカナダ市民権を得るべきだ」(筆者注※カナダで生まれた先住民はカナダ市民である)と主張したため、この問題に再び火がついた。

 保守党のアンドリュー・シーア党首は18日、次のように述べた。
「私はもちろん、彼女の意見に同意しない。彼女は、我々の党と幹部会を代弁していない。私はもちろん、彼女が言った言葉の選択を非難する。」
 彼はまた、ベヤック議員は「保守党幹部会で役割がない」と語った。彼女は上院の運輸委員会・農業委員会・防衛委員会の委員に任じられており、彼女が退任したとは報じられていない。保守党広報は、彼女がまだ委員のままかどうかを問われると、回答を拒否した。
 またシーア党首は、彼女を幹部会から除名はしないが、包括的メッセージを共有できないのなら、彼女が出て行くためのドアはすでに開けてあると語った。
 ヌナブート準州代表の先住民であるデニス・パターソン上院議員(保守党)は、彼女のコメントについて「馬鹿げている」と一蹴した。彼は、先住民はもちろんカナダ市民であり、またイヌイットの3分の1をはるかに超える人数が寄宿学校に収容されたと指摘した。
「これは、ベヤック議員が無分別に話した最初ではない。彼女の意見が上院と我が党の幹部会にとどろき、私は非常に動揺している。彼女の意見は挑発的で、攻撃的である。それらは、事実に基づいていない。」
 彼は、彼女の意見は主流にはほど遠く、その見解を共有する上院議員を一人も知らないとつけ加えた。
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 キャロリン・ベネット先住民・北方問題担当大臣は、自由党議員だが、ベヤック議員を保守党幹部会から除名するよう要求した。
「懸念すべきは、彼女が多くを学ぶべきだということをいまだに認めないことである。彼女がもう一度席に着き、寄宿学校の生存者から話を聞くよう提案する。彼らには、彼女に教えることが山ほどある。」


写真:リン・ベヤック上院議員(左)とキャロリン・ベネット先住民・北方問題担当大臣(右)。
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コーンウォリス総督像、布で覆われる [先住民]

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 ノバスコシア州ハリファックスのコーンウォリス・パークで7月15日、150人の市民が集まり、エドワード・コーンウォリス総督の像を撤去しようとした。市当局は混乱を回避するため、当面の措置として像を黒い布で覆った。

 ノバスコシア総督コーンウォリスは、1749年イギリス人入植者を連れて今日のハリファックスに入り、街と要塞を築いた。彼は事前にインディアンと協定を結んでいたが、相手は大半がニューブランズウィックのインディアンで、ノバスコシアのミックマック族の同意を得ていなかった。彼らは小規模な軍隊の駐屯は容認したが、大規模な植民は1726年の協定に反すると異議を唱え、イギリス人への攻撃を開始した(ル・ルートル神父戦争)。これに対しコーンウォリス総督は、ミックマック族の頭皮を剥いだら報奨金を払うと布告した。

 像に布がかけられると、抗議者たちは拳を挙げ、太鼓を鳴らして歌い、手をつないで像の周りを回った。ケープブレトンから来たインディアンのエリザベス・マーシャルさんは、次のように語った。
「これは私が経験した、最も喜ばしい日の一つだ。我々は常に排除されていたから、入植者たちと新しい関係を始めることを予期していなかった。我々は圧迫されていると感じ、声を上げられずにいた。だが今日、我々は声を上げた。」
 ディグビーから来たインディアンのパトリック・ルブランさんは、こう述べた。
「この人物は、我々の同胞の大量虐殺を象徴する。」
「これを毎日見るたびに、思い出す。そして、心が痛む。」
 ケープブレトンから来たインディアンのメリーアン・ジュンタさんは、像が布で覆われたことについて「当面は十分だが、いずれは取り壊されるべきだ」と語った。
 16歳の匿名の人物は、コーンウォリスの像について「ヒトラーの像をユダヤ人の街に置くのと同じ」と述べた。

 像は3メートル近い台座の上に乗っており、抗議者たちがどうやって像を撤去するつもりだったかは不明である。
 やがてイギリス国旗を掲げた少数のグループが乱入し、抗議者たちに怒鳴り始めたが、警察が事前に待機しており、大事には至らなかった。
 今年7月1日のカナダ・デー(建国記念日)には、行方不明となっている先住民の女性を記念する「哀悼式」が、コーンウォリス像の前で開催されている。この集会は、右翼団体「プラウド・ボーイズ」5人の乱入によって妨害された。5人はカナダ軍の軍人で、停職処分を受けた。
 コーンウォリス総督は、しばしば論争の対象となっている。コーンウォリス・プレイスは1995年、ハリファックス・サミット開催を記念して「サミット・プレイス」に改称された。またコーンウォリス中学校は、ハリファックス中央中学校に改称された。


写真:コーンウォリス総督像が黒い布で覆われ、歓喜する抗議者たち。

スペンス酋長、ハンガーストライキを終了 [先住民]

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 先住民に関する政府の一連の政策に抗議して、アタワピスカット族のテレサ・スペンス酋長が、12月11日からオタワ川のビクトリア島でハンガーストライキを続けていたが、政府に13か条の要求を突きつける妥協案に同意して、1月24日に42日間の抗議を終了した。

 保守党政権は2012年12月、C-45号法案を下院で可決させたが、これは先住民との協議なしに多くの河川や土地を環境保護リストから除外するものであった。ジェシカ・ゴードン、シルビア・マカダム、シーラ・マクリーン、ニーナ・ウィルソンはこれに抗議し、草の根市民運動#IdleNoMoreを始めた。運動はやがてカナダ全土から、国外にまで発展していった。
 スペンス酋長は、連邦議会議事堂を望むビクトリア島にテントを張り、ブイヨンとハーブティーとレモン水だけで固形食を摂らないハンガーストライキを始めた。彼女が1日に摂取するカロリーは、300前後であった。
 彼女は当初この問題について、ハーパー首相との会談を求めた。やがてそれは、他の酋長も含めた会議の開催、オンタリオ州首相の同席、ついにはカナダ総督の同席を要求するに至った。ハーパー首相は、2012年に開催された連邦政府と先住民代表の会議からちょうど1周年となる1月24日に、連邦政府と先住民代表の会議を召集すると提案したが、スペンス酋長の健康状態が悪化し、72時間以内に会議を開催しなければ生命にかかわると発表したことで、1月11日に開催された。
 全国先住民評議会のショーン・アテレオ代表は、会議を好意的に評価したが、スペンス酋長は総督の同席がなかったことに不満を抱き、ハンガーストライキを続けていた。だが体力が限界に近づいたこともあり、連邦議会で政府に突きつける13か条の要求に合意して、これを終了した。

 支援者は、彼女を「マザー・テレサ」と称えた。彼女の行為は、先住民が抱える問題、特にC-45号法案に注目を集めることに成功し、彼女は#IdleNoMore運動のシンボルとなった。
 だがそのいっぽうでは、彼女への批判もある。彼女はカナダの政治を十分理解しておらず、しばしば周囲を困惑させる発言をした。彼女は問題を大々的に宣伝したあげく、何も解決していない。
 彼女のハンガーストライキは、全国民を巻き込んだ巨大な運動とはならず、非先住民の支持は多くなかった。ナノス・リサーチ社による世論調査は、カナダ人の先住民への意識が、スペンス酋長の言動により硬化したことを示した。カナダ人回答者の54%が、ハンガーストライキは先住民の利益につながっていないと回答した。
 スペンス酋長は、ビクトリア島のテントから「カナダのために祈ろう」と称し、先住民の祈祷師やロリーン・ハーパー首相夫人に呼びかけた。また、先住民が結んだ協定は国王とのものであり、カナダ政府とのものではないとして、ジョンストン総督に公開書簡を送り、総督の会議への出席に固執した。確かにカナダはそのとき独立国ではなかったが、その後政治体制が変わり、総督には政治上の権限が今はないことを、彼女は理解していなかった。
 彼女は、アタワピスカットの窮状の責任は全て連邦政府にあると見なしており、その解決法は連邦政府からの資金提供しかないと考えていた。部落の孤立や地域経済の欠如に自分の責任があるという考えを、彼女は完全に拒否した。
 2011年10月28日、スペンス酋長は3年間で3度目となる非常事態宣言を発令した。これを受けてジョン・ダンカン先住民問題担当大臣は、連邦政府は2006年からアタワピスカット居留地に、学校と60件の家の建設を含め1億3100万ドルを支出していると反論した。
 スペンス酋長は、会計を住民にもメディアにも公表しなかった。一部の住民は「報復を恐れて」、マスコミの取材を拒否したとも報道された。アタワピスカット族評議会は最終的に、第三者による会計監査に同意したが、2005年から2011年までに連邦政府から受けた1億400万ドルの資金のうち、数百万ドルが使途不明のままである。
 住むところに事欠く先住民がいる中で、スペンス酋長の給与と旅費は、7万ドル以上にのぼっている。彼女はまた、アタワピスカット族評議会の経理担当だったクレイトン・ケネディと内縁関係にある。ハンガーストライキ支援のための募金口座は、アタワピスカット族評議会ではなくケネディのものだった。またスペンス酋長は太っているため、彼女の「ダイエット」をからかう発言は随所に見られた。

 ダンカン先住民問題担当大臣は、この後「よりハイレベルな会談」が首相と先住民代表の間で行われると発表した。週明けの28日、新民主党はさっそくこの問題を連邦議会で追及することになっている。



写真:テントの前に立つテレサ・スペンス酋長。

ハーパー首相が名誉酋長に [先住民]

f79f7e634663afd394f771037ddf.jpg ハーパー首相は7月11日、アルバータ州の先住民ブラッド族の名誉酋長に任じられた。
 彼は2008年、政府がかつて先住民の児童に、親から引き離し寄宿学校での同化教育を強制した過去について謝罪した。チャールズ・ウィーゼル酋長はこれを讃え、ハーパー首相にブラックフットの言語で「チーフ・スピーカー」の名を贈った。
 ハーパー首相はそれから、メディシンマンに顔にペイントを施され、頭に羽飾りをかけられた。
 ハーパー首相は、レスター・ピアソン元首相とジョン・ディーフェンベーカー元首相に続き、現職総理で名誉酋長に任じられる3人目となった。なおジャン・クレチエン元首相は、首相就任前に任じられている。
 ほかに名誉酋長に任じられた人物には、エイドリアン・クラークソン元総督、デビッド・スズキ博士、ピーター・ローヒード元州首相、ラルフ・クレイン元州首相がいる。

イヌイットの強制移住について謝罪 [先住民]

 ジョン・ダンカン・インディアン問題担当大臣は8月18日、1950年代に実施されたイヌイットの極北への強制移住について、謝罪の意を表明した。
「カナダ政府は、我が国の歴史における暗いページのうちの過ちと違約について、深く遺憾の念を述べるとともに、極北への強制移住について謝罪する。我々は、強制移住が惹き起こした言語に絶する困難と苦痛に対し、深く同情するものである。」

 ハドソン湾東岸のイヌクジュアックに暮らしていた19世帯87人が、1953年から1956年にかけて、2000キロ北の極北に移住させられた。これにより彼らは福祉依存から脱却し、伝統的生活を取り戻せるものと約束された。彼らは以前と同じように、一つの村でいっしょに生活できるものと思っていた。ところが彼らは、リゾリュート・ベイとグライス・フィヨルドの村に別れて暮らすことになった。新しい村は以前より20度も寒い不毛の地で、住宅も提供されず、イグルー(かまくら)を作るしかなかった。

 だが実際には、豊富な地下資源がありながら無人で不毛の地である極北地方の、領土権を確実なものにするために、連邦政府がイヌイットを「生きる国旗スタンド」として利用していたにすぎなかった。
 連邦政府は長年にわたり、移住はイヌイットの同意により、彼らの経済状態を向上させるために行ったと主張してきた。進歩保守党政権のトム・シドン・インディアン問題担当大臣は1992年、移住は「移住者の環境改善という明白な意図をもって実施された」と述べ、いかなる謝罪をも拒否すると語った。
 ところが90年代に先住民王立委員会が、地下資源に関する懸念が強制移住への引き金になったことを示す文書を発見した。そこにはこう記されていた。
「そのような将来の要求への対処として、カナダ自治領は北極から700マイル以内の島を占有する。」

 1953年にリゾリュート・ベイに移住したとき、まだ6歳だったジョン・アマゴアリックは、こう語った。
「それはまさに、世界一荒涼とした地であった。我々はまさに、村の囚人であった。」
 ダンカン大臣は、謝罪の言葉の中でこう述べた。
「我々は、守られなかった約束について謝罪する。彼らは、より豊かな地に行くと約束された。彼らは、1つのコミュニティの中に残ると約束された。彼らは、新しい地を去ることも、戻ることもできると約束された。そして我々は、移住そのものについて謝罪する。」

イロコイチーム、ラクロス世界選手権出場を断念 [先住民]

Lacrosse__Iroquo_765501gm-a.jpg イギリスのマンチェスターで7月15日に開幕した、男子ラクロス世界選手権大会に出場を予定していた、アメリカとカナダの先住民イロコイのチームが、「イロコイ連邦」パスポートでの入国を拒否されていた問題で、同チームは大会への出場を断念した。
 イロコイチームは、9人のカナダ市民と38人のアメリカ市民のイロコイ族インディアンで構成されている。イロコイ連邦パスポートで初めて国外に旅行した人は、1923年のデサカーエであった。彼は国際連盟に、シックス・ネイションズの自決権をカナダ政府が侵害したと訴えるために旅行した。
 その後カナダ政府は1977年、イロコイ連邦の独立への欲求に応える形でイロコイ連邦パスポートを承認した。それから33年間、イロコイ連邦パスポートは世界中の空港で受け容れられた。だが2001年9月11日の同時多発テロにより、セキュリティは世界的に厳しくなり、バーコードや電子チップを持たないイロコイ連邦パスポートはしばしばトラブルに巻き込まれるようになった。

 アメリカ政府は今回、イロコイチームのイロコイ連邦パスポート使用に反対していたが、クリントン国務長官は、アメリカ市民に限り、1回限りの例外的使用を認めた。だがイギリス当局はパスポートの有効性を認めず、アメリカまたはカナダのパスポートで入国するよう要求。しかしイロコイチームは、イロコイ連邦パスポートの使用は民族アイデンティティの問題だとしてこれを拒否した。
 イロコイチームのトーマス・ディアは、こう語った。
「私は、カナダのパスポート取得を拒否する。それは、私がカナダ人ではないことを意味する。我々は今カナダとして知られる地域に暮らしているが、我々はカナダが創設される前からここに暮らしているホーデノショーネである。」
 オンタリオ州シックス・ネイションズ出身のデルビー・パワレスは、こう述べた。
「相手チームにメダルを奪われることは、ありえることだ。だがスーツを着た誰かにメダルを奪われることは、別の問題だ。」
 コンコルディア大学のギャビン・テイラー教授は、カナダ政府は何世紀もの間、先住民の旅行問題を直視せず、避けて通ってきたと述べた。
「もしカナダがイロコイ連邦パスポートを認めたら、その他の民族集団も彼ら自身のパスポートを要求し、パンドラの箱を開けることになるだろう。」
 ケベック連合のインディアン問題担当マルク・ルメイ議員は、こう語った。
「我々はみな、民族ではなく承認された国家が発給する有効なパスポートを持たなければならない。さもなくば、バスクのパスポート、ケベックのパスポート、スコットランドのパスポート、コルシカのパスポートが出て来ることだろう。たとえ我々が独立論者だとしても、ケベックはいまだカナダの一部であり、カナダのパスポートは依然として必要である。」
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 ラクロスは、先端に網のついたスティックでボールをパスし、相手のゴールにシュートして得点を争う競技である。カナダのインディアンの儀式が起源であり、現在はカナダの国技となっている。カナダはラクロスで、1904年のセントルイス・オリンピックと1908年のロンドン・オリンピックで金メダルを獲得している。国際ラクロス連盟では、イロコイ男子チームは4位にランキングされている強豪である。


写真:イロコイ連邦パスポートを掲げるパーシー・エイブラム監督。

クラークソン前総督、ジャン総督のパフォーマンスに無関心 [先住民]

 ミカエル・ジャン総督がアザラシの心臓を生で食べたことは、大きな反響を呼んでいる。エイドリアン・クラークソン前総督は5月31日、ジャン総督のパフォーマンスについてコメントを求められると、
「私は、可愛いらしいアザラシのコートを持っているわ。1971年から、生の食べ物も食べています。私にとっては、何も新しいことじゃないわ」
とそっけなく語った。

 また、ジャン総督がロッキー山脈とコースタル山脈を混同した発言について、今後総督に推挙される人は、マッケンジー川の位置や、徴兵危機や、マニトバ学校問題や、カナダの芸術家の名を挙げる口頭試問を実施すべきだと述べた。両者とも元CBCジャーナリストだが、クラークソン前総督がカナダをくまなく巡ったのに対し、ジャン総督はほとんどケベックだけで活動していた。
 ジャン総督は、クラークソン発言についてこうコメントした。
「人は、その人自身の経験から始めます。私がこの国に持ってきたものは…私自身の物語でした。私たちは、どんな人でもそうすることができる国に暮らしています。それゆえ私たちは、自分の属性に基づいて生きることが大切なのです。属性は、マッケンジー川がどこにあるかを言える能力より、はるかに大切なものです。」
 グローブ&メイル紙のコラムニストであるマーガレット・ウェントは、ジャン総督が今回のパフォーマンスで熱狂的に支持されているのを、クラークソン前総督は嫉妬しているのだろうと指摘した。

アザラシを食べた総督に賛否両論 [先住民]

 ミカエル・ジャン総督がアザラシの心臓を生で食べたニュースは、内外に大きな反響を呼んだ。
 カナダ国際人道協会(HSI)のレベッカ・オルドワース代表は、「総督のパフォーマンスは、イヌイットが生活のために行う狩猟と、非先住民が毛皮産業として行うアザラシ虐殺を混同する欺瞞である」と語った。
 PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)のブルース・フリードリヒ副代表は、「アザラシ猟はカナダの恥である。カナダ人は今後10年間、政府がこれを保護したことに恐怖を抱き、悲しみ、恥じ入ることになるだろう。総督はこの不快な行動を、これまで公共の場で行ってきたことの中で最も不道徳で愚かなことだと、いつの日か自覚するだろう」と語った。
 国際動物愛護基金(IFAW)のバーバラ・スリーは、「カナダ総督が公共の場でアザラシを食べたことは、ヨーロッパの市民と政治家の考えを変えることはないだろう」と述べた。
 ニューヨークのブロガー「ゴーカー」は、ジャン総督(Governor General)をセーラ・ペイリン知事(Governor)と比較し、皮肉なエントリーを書いた。
 「ペイリン知事はヘリコプターから狼を撃つことや、オフィスを動物の死体で飾るのを好んだが、ジャン総督は明らかにもっと馬鹿で、アザラシを殺し、何百人もの前でその心臓を食べるのを好む。『最も愚かなGovernorは誰か』という賭けがあったら、カナダは楽勝だろう。」
 ピーター・マッケイ国防大臣は、ジャン総督を「カナダの新しいブレイブハート」と賞賛した。

 ジャン総督は、数々の批判に対し反論を行った。
「彼らと距離を置き、参加を拒むことは私にとって不自然であり、彼らにとっては侮辱となろう。」
 総督はまた、自分のふるまいには政治的意図はないと強調した。
「私は、この立場にいる者がどうふるまうべきかを、正確に把握している。しかしアザラシ猟は、我が国の何千もの人々の生活様式の一部である。それは彼らの経済の一部である。それはよく管理されている。それは彼らにとって不可欠である。それは持続可能な方法で行われる。そして私はその問題に無関心ではない。私はそれを尊重する。人々は、現実の多様性を受け入れなければならない。」
 総督はさらに、現代社会において人々は分業化され、食物がどこから来たかを忘れがちだと指摘した。
「私は牛肉を食べるとき、かつて生きていた牛を食べていることを理解している。菜食主義者には、彼らの人生において選択肢がある。私は、その選択をしなかった。私はラムを食べるとき、子羊を食べているということを理解している。それもまた、またかわいい動物である。」
 僻地のスーパーでは、南から輸送される食品はわずかしかない。凍った鶏肉が1羽21ドル、ミルク2リットルが8ドル90セントと高価で、新鮮な肉を食べようと思うイヌイットは、アザラシを狩る。

 北極圏の高校のブライアン・マニング校長は送別会で、総督にこう述べた。「あなたが残した大きな遺産に感謝する。あなたは、南の人々を教育するため多大な貢献をした。あなたは、本物の教育者だ。」

総督、アザラシの心臓を食べる [先住民]

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 5月26日付トロント・スター紙は、北極圏を訪問中のミカエル・ジャン総督がアザラシの生の心臓を食べたと、一面で報じた。
 ランキン・インレットで25日、ヌナブート準州創立10周年記念祭に参加したジャン総督は、血のしたたるアザラシの心臓を手で掴み、イヌイット伝統のナイフ「ウルー」でスライスした後、手づかみで生のまま食べた。
 総督は、血だらけの指をティッシュで拭きながら「本当においしかった。寿司みたいでしたが、タンパク質を豊富に含んでいます」とコメントした。さらに、イヌイットの伝統的狩猟を残酷だと言う意見について「これは古くからの生活様式の一部です。もしこれを理解できないというなら、その人はこの地の生活の現実を見逃しているのです。」と語った。
 イヌイットたちは、環境保護主義者から非難されている鉤のついたハカピックは使わず、銃か銛を使っていることや、なぜ自分たちの営みが牧畜より残酷だと言われるのか理解できないと説明した。
 総督はまた、ノルウェーがサミ族のためにトロムソ大学を設立した例を挙げ、イヌイットの経済がより豊かになるよう、連邦政府は北部にも大学を設立すべきだと、異例の政治的発言を行った。ヌナブートにおける高校卒業率はわずか25%で、カナダ諸州の最低である。
 2005年9月に就任したジャン総督の任期は、残り1年に近づいている。彼女は、もう一度この地を訪問したいが、総督としてかどうかは定かではないと語った。


写真:ウルーを持つミカエル・ジャン総督(オレンジのマフラーを巻いた黒人女性)。

ローマ教皇、先住民に同化教育を謝罪 [先住民]

2776014 カナダ先住民の児童が親元から引き離され、強制的に教会の運営する寄宿学校に行かされ、肉体的かつ性的虐待を受けたことについて、ローマ教皇ベネディクト十六世は4月29日、元生徒たちと面会し謝罪の意を表明した。
 1870年代から1970年代まで、15万人以上の先住民の子供たちが親元から引き離され、カナダ連邦政府の助成を受けたミッションスクールで同化教育を強制された。母語を使った生徒は殴られた。その背景には、先住民は子供のうちに殺せばいいという思想があった。これらの虐待は心的外傷となり、その後のアルコールや薬物中毒の原因にもなったと指摘されている。
 スティーブン・ハーパー首相は2008年6月、肉体的虐待と性的虐待を認めて謝罪し、10億ドルの賠償を提示した。いっぽうカトリック教会は100万ドルの賠償金を支払ったが、これまで謝罪の言葉を口にしたことはなかった。
 約8万人の元生徒が、今も存命している。虐待を受けたかつての生徒、ファーストネイションズ会議のフィル・フォンテイン議長は語った。
「我々が教皇に望んでいたことは、心からの謝罪をすることだった。」
 またトラズデン・ネイションズの酋長エドワード・ジョンは、こうコメントした。
「我々は昨年6月、首相が謝罪するのを聞いた。そして今日、教皇が深い悲しみと遺憾の意を表すのを聞いた」。
 オタワでは、インディン問題担当大臣チャック・ストロールがこう語った。
「ローマ教皇の言葉をとてもありがたく思う。彼らが前に進んで行くために、多くの人々にとってそれは必要だった。」


写真:フィル・フォンテイン議長(バチカン)。

学校建設予定地に酋長の遺体はないと断定 [先住民]

 ブリティッシュコロンビア州ニューウェストミンスターの学校建設予定地に、インディアンの酋長が埋葬されているという噂が立ち、計画は棚上げとなっていたが、このたび歴史家の調査によりこの可能性が否定され、建設が再開されることになった。

1872225 シャーリー・ボンド文部大臣は、歴史家ジム・ウォルフ氏より「相当な確実性で、酋長の遺体が建設予定地に埋葬されている可能性はないと言える」という報告を受けたと、6月19日プロビンス紙に語った。
 今年初め、ニューウェストミンスターのチャック・パックマイヤー州会議員の調査をきっかけに、チルコーチン族の酋長アハンの遺体がダグラス・ロード墓地に葬られているという噂が広がった。伝染病感染を恐れたチルコーチン族が道路建設作業員を殺害した1864年の「チルコーチン戦争」で、殺人罪に問われたアハンは絞首刑に処された。遺体はいずこかへ埋葬され、その行方は判明していないが、様々な可能性を消去法で絞り込んでいくとダグラス・ロード墓地以外考えられないというのがパックマイヤー氏の見解だった。
 既存のニューウェストミンスター・セカンダリースクールを継承する中学校と高校それぞれの建設費用に、州政府は数百万ドルの予算を割り当てている。ボンド文相は、2校舎の建設は決定しているが、中学校については他の場所に建設する可能性もあると語った。
 なお「チルコーチン戦争」で起訴されたチルコーチン族は、自分たちは戦争しているのであって殺人罪に該当しないと抗弁した。司法長官は1993年、酋長の処刑について謝罪した。


写真:ニンポー湖畔に建てられた記念碑。

“Ka Kanantahk”, she stands on guard for thee!-先住民の少女、国歌を初めてクリー語で歌う [先住民]


 2月3日、カルガリーのサドルドームで行われたカルガリー・フレームス対バンクーバー・カナックスの試合において、クリー族の少女アキナ・シャートさん(13)が国歌“O Canada”を、NHLの歴史上初めてクリー語で歌った。
 アキナさんは家族とエドモントンで暮らしているが、その両親はサドルレイク・ファーストネイション出身のクリー族である。アキナさんは4つの聖歌隊に参加するほか、ギターのレッスンを受け、クリー語の歌を既に4曲レコーディングしている。彼女が国歌をクリー語で歌い始めたのは、1年前からだという。昨年はジュニアBホッケーのウォーリアーズのためにクリー語国歌“Ka Kanantahk”を歌っている。
 「私が“Ka Kanantahk”を歌うと、いつも味方が勝利します。今は6勝0敗で、今日はフレームズが7勝目を挙げることを願っています」。
 「クリー語は、カナダ先住民の間で使われている美しい言語で、これをカナダ人と共有できることをとても喜ばしく思います」。
 この日はアキナさんに合わせ、およそ2万人のホッケー・ファンが国歌を斉唱した。そしてフレームズが4対3で勝利した。
 なおこの試合はCBCの“Hockey Night in Canada”で放送されたが、アキナさんが歌うシーンはCMが流れ、放送されなかった。

・アキナ・シャートさんホームページ
http://www.akinashirt.com/


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